親子戦争 その1

 えー、私には一つ違いの弟がいます。
 もう親元を離れて、一部上場の会社で立派な社会人として生活しています。
 で、今から三ヶ月ほど前。弟が、結婚したい人がいると父親に申し出たそうです。
 その相手というのが五歳年上のバツ1。
 そのことを父から電話で聞いた時に、私は別に「ふーん」ってな感じでした。
 弟は私と違い非常に優秀で、どこか天才肌的なところがあります。
 独学で東大に合格したり、突然「弁護士になる」と言い出して僅か二年で司法試験に合格して見せたり、言葉もサッパリ分からないのにブラジルに留学してみたり。

 まぁ、色々と離れ業を披露してくれました。

 そんな弟が結婚すると言ってるのです。兄としては、「アイツが言い出したんやから、別に好きなようにさせたらええんちゃうん」ってな感じでした。
 良く言えば信頼。悪く言えば放任。
 どちらにせよ、弟の選択が間違っているとは思わなかったのです。
 ところが――

「オカン泣いてもーてなー。コッチ大変やで」

 な、なぬ?

 どうやら母は猛反対した様子。
 話を聞いてみると、「五歳年上のバツ1と結婚するなんて、向こうにダマされているに決まっている。弟は優秀なのだからもっと高望みして、いい子を捕まえろ」、と。
 まとめるとコレが母の言い分のようでした。

 私は取りあえず弟の話も聞くため電話してみました。
 すると、

「へ? オカンに話し行ってんの? 俺オヤジに、今度実家帰った時に直接話すから、まだ誰にも言わんといてや、言ったんやけどなー」




 ダメじゃん、オヤジ。




 とにかく口の軽いオヤジのせいで、知られてしまったからにはもう手遅れ。

 親子戦争の勃発です。

 どうやら父は母に洗脳され、弟の敵に回った様子。
 ならば私は弟の側に付くしかありません。

 そして去年の年末。実家に戻って親子四人で顔を付き合わせ、腰を据えて話して参りました。



 もぅね。








 生き地獄。







 実家に帰った初日に、横浜に戻りたいと思ったのは初めてでしたよ(笑)。
 だって見るからに空気が暗くて重いんですもの。
 鍋をつつきながら話そうと思ったのですが、食べている間中みんな一言も喋らず。味なんでちっともしませんでした(血汗)。

 しかしこのままでは話が進みません。弟が別の部屋にいる時を見計らい、私は母とサシで話そうとしました。取りあえず母の言い分を直接聞きたかったからです。
 父からざっとは聞いていたのですが、途中で誤魔化されてるところがあるかも知れません。

 そして話し始めようとした時、突然弟と父が部屋に入ってきたのです(ヒィィィィィ!!)。

(続きはまた明日)



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