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プロの舌

 えー、本日ちょっとした危機に直面してしまいました。
 内容を詳しく説明し始めると長くなるので割愛しますが、今ちょっとした製剤を作っています。まぁ粉です。
 ところがこの粉、なかなかの曲者で成分が安定しません。
 作るたびに、『ある成分』が多かったり少なかったりします。
 その『ある成分』とは、


 グルタミン酸ナトリウム



 通称『グルソウ』(グルタミン酸ソーダ)と呼ばれる物であります。

 良く知られている旨味成分で、呈味性は非常に強いです。
 そして製剤には、あまり強い味が付いていることは好ましくありません。他と混ぜた時にソレが自己主張してきますから。

 無味無臭、そして白色。

 コレが理想的です。

 で、一回は出来たんです。この『無味無臭、白色』というヤツが。そしてその時、上司に報告してしまいました。

 ラボスケールでの製造工程は確立できました、と。

 が、実験とは不思議なモノで、一度チャンピオンデータが出ると、何故かその後はカスデータばかり出てきます。
 何度やっても『グルソウ』が残る。
 毎日のようにどうしようかと頭を悩ませておりました。

 そして今日。ちょっとした上司の気まぐれで、


「あ、飛乃君さー。この前の粉、ちょっと舐めさせて」



 と、言われました(滝汗)。
 『この前の粉』というのは『無味無臭、白色』の粉です。ソレを食べさせて上司を納得させましたから。


 が、今手元にある粉はぶっちゃけ『味の素』です。


 かと言って今更「あ、やっぱこの前のナシでいいッスか?」なんて言おうものならクビチョンパの刑に処されます。

 考えました。
 もぅ小一時間考え抜きました。
 私も食品会社に勤める者の端くれです。
 いつくか案が浮かびました。


 作戦1:午後一で食べさせる

 人間、空腹時ほど味覚が敏感になります。つまり逆に言えば満腹時には舌は鈍っています。昼食直後に食べさせれば、何とかなるかも知れません。


 作戦2:低温室で食べさせる

 この粉は非常に吸湿性が高いです。むやみやたらと外には持ち出せません。その点、低温室であれば湿度も低く、結露しにくい。その室で食べさせる理由は充分あります。
 そして温度の低い食品は味を感じにくい。低温室に連れ込めば、何とかなるかも知れません。


 作戦3:衛生性が非常に悪いと言う

 まぁ、悲しいことにコレは本当のことです。雑菌うじゃうじゃいます。
 そのことを知らせればどうなるか。
 当然、少量しか口に運びたくなくなるでしょう。つまり味を感じにくい。


 以上、三つの作戦を併用して上司に挑んで参りました!
 そして結果は!



「……あれ? グルソウの味するよね?









070129si.jpg
惨敗









 うん、やっぱりプロの舌は誤魔化せないね。

 いやまぁ、色々とお説教されましたよ……。
 

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