消えない過ち
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飛乃剣弥
新入社員さんの顔を見るたびに思うんですが、最近の卒業式ってどんなんなんでしょうね。私の卒業した大学は非常につまらない堅っ苦しい席でして。理事長が延々と台本を読んでいるだけでした。
でもまぁ研究室に戻れば、それぞれの文化があるわけで。私の所はベタでしたが「寄せ書き」を頂きました。
で、この寄せ書き。これは本当に昔っからある文化のようで、私が小学生の時もやりました。その時は書かれる側ではなく、書く側でしたが。
クラス全員で一枚の色紙に六年間の思いの丈を詰め込み、ソレを美術室に飾って半永久的に保存して置くというものでした。まぁ、言ってみれば人が人にあげる寄せ書きではなく、人が学校に送る寄せ書きだったわけですね。
その時に私が書いた言葉。
忘れもしません。
『ついに卒業!』
うーん、シンプルだ。
当時、クラス委員長を務めていた私は、色紙のど真ん中にでかでかと書かせていただきました。そして文字の横には自分の名前。他の人達はその周りを囲むように、細々と書いていきました。
やっぱり良いですね。目立つって。子供の頃は自己顕示欲の塊のような人間だったので、もー大満足でした。
で、卒業して半年ほどが経った頃。
私には一つ違いの弟がいるのですが、同じ学区なので当然小学校も同じでした。その年は弟の卒業年度。
弟は学校から帰ってくるなり、私の部屋に来て、
「兄ちゃん! 色紙みたで!」
なぜか大はしゃぎ。
私の雄々しい卒業宣言に多大な感銘を受けたのでしょうか。今度は自分が書く番と言うこともあり、美術室に行って過去の作品を参考にしていたのでしょう。
「めっちゃオモロイやんけ! なんやアレ!」
ん?
面白い?
一体どういうこと何でしょうか。私は至って真面目に書いたつもりですが……。
「なんやあの、『ついに率業!』って」
…………。
…………は?
「でかでかとアホなこと書いてんなー、誰やー、思ーて、書いた奴の名前見たら……コイツやんけ!」
指さすな!
「自分のええネタ残しとんなー!」
ネタじゃねぇよ!
「他の奴等にも言っといたったで!」
今すぐ取り消せ!
だってほら、『卒』と『率』って似てるじゃないですか……。
てか、書いた時点で誰かツッコめよ! 先生何してたんだよ!
その色紙はきっと今でも美術室の片隅に飾られているのでしょう……。orz
ホームサイトへの案内状
----------------------------------------
『貴方に捧げる死神の謳声 第零部』の弐話を読んで下さった方! どうも有り難うございました!
>シュルツさん
二回も読んで下さってどうも有り難うございます!
えー、魎の黒衣の件ですが、壱話の最初では怨行術で構成された黒衣を纏っておりました。『まるで煙のように不定型に揺らめく黒衣』とありますよね。ただそれ以降、和平を結んでからはそんな物騒な物を着る必要もないので、正真正銘普通の黒衣です。なので『煙のように不定型に』という表現は取っておりません。
お答えになったでしょうか?
でもまぁ研究室に戻れば、それぞれの文化があるわけで。私の所はベタでしたが「寄せ書き」を頂きました。
で、この寄せ書き。これは本当に昔っからある文化のようで、私が小学生の時もやりました。その時は書かれる側ではなく、書く側でしたが。
クラス全員で一枚の色紙に六年間の思いの丈を詰め込み、ソレを美術室に飾って半永久的に保存して置くというものでした。まぁ、言ってみれば人が人にあげる寄せ書きではなく、人が学校に送る寄せ書きだったわけですね。
その時に私が書いた言葉。
忘れもしません。
『ついに卒業!』
うーん、シンプルだ。
当時、クラス委員長を務めていた私は、色紙のど真ん中にでかでかと書かせていただきました。そして文字の横には自分の名前。他の人達はその周りを囲むように、細々と書いていきました。
やっぱり良いですね。目立つって。子供の頃は自己顕示欲の塊のような人間だったので、もー大満足でした。
で、卒業して半年ほどが経った頃。
私には一つ違いの弟がいるのですが、同じ学区なので当然小学校も同じでした。その年は弟の卒業年度。
弟は学校から帰ってくるなり、私の部屋に来て、
「兄ちゃん! 色紙みたで!」
なぜか大はしゃぎ。
私の雄々しい卒業宣言に多大な感銘を受けたのでしょうか。今度は自分が書く番と言うこともあり、美術室に行って過去の作品を参考にしていたのでしょう。
「めっちゃオモロイやんけ! なんやアレ!」
ん?
面白い?
一体どういうこと何でしょうか。私は至って真面目に書いたつもりですが……。
「なんやあの、『ついに率業!』って」
…………。
…………は?
「でかでかとアホなこと書いてんなー、誰やー、思ーて、書いた奴の名前見たら……コイツやんけ!」
指さすな!
「自分のええネタ残しとんなー!」
ネタじゃねぇよ!
「他の奴等にも言っといたったで!」
今すぐ取り消せ!
だってほら、『卒』と『率』って似てるじゃないですか……。
てか、書いた時点で誰かツッコめよ! 先生何してたんだよ!
その色紙はきっと今でも美術室の片隅に飾られているのでしょう……。orz
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『貴方に捧げる死神の謳声 第零部』の弐話を読んで下さった方! どうも有り難うございました!
>シュルツさん
二回も読んで下さってどうも有り難うございます!
えー、魎の黒衣の件ですが、壱話の最初では怨行術で構成された黒衣を纏っておりました。『まるで煙のように不定型に揺らめく黒衣』とありますよね。ただそれ以降、和平を結んでからはそんな物騒な物を着る必要もないので、正真正銘普通の黒衣です。なので『煙のように不定型に』という表現は取っておりません。
お答えになったでしょうか?