レディース・ネットワーク

 今までも散々言ってきましたが、私の会社の女性達は非常に恐いです。
 各人が持っている個人技もそうですが、連係プレイはさらに凶悪です。
 例えば、女性陣の中でも比較的優しい部類に入る『死語使い』に、勿論褒め言葉として、

「化粧、上手ですね」

 と、言うと。
 別の日には何故か『お局様』から、




「殆どスッピンでごめんね」




 と、バック・スタッブ(背後からの暗殺)。


 そして天然ボケボケの『ブラック・マジョム』に、


「僕、甘い物あんま好きじゃないんですよねー」


 と、漏らすと。
 別の日にはどういう訳か『飛躍魔人』から、



「来年のバレンタイン、なしでいいよね」




 と、クール・ペネトレイト(無慈悲な串刺し)。


 そんなわけでとにかく下手なことを口に出来ません。
 一人に話せば全員に伝わり、少し間をおいて、言ったことをワザワザ裏返して悲惨な仕打ちが飛んできます。
 ですから女性と話す時は、もーずっと緊張しっぱなし。
 それこそ、中学生が初めて年上のお姉さんと話す時くらいドキドキします。



 ……トキメキとは真逆の鼓動ですが。



 で、今日。
 『お局様』とちょっと長く会話する機会がありまして。
 実は私、ほんの一年ほど前までは彼女と一緒仕事をしていたのですが、内部異動により、今の『飛躍魔人』、『死語使い』と一緒に働くことになったのです。
 なので話の内容は自然と、『今は昔と比べてどうか』という方向へと進んで行きました(この時点で半死に)。
 ここで、「素晴らしい二人の女性に囲まれて、充実した毎日を送っています」なんて言おうものなら、

「ふーん、アタシの時はつまんなかったんだ」

 となるのは目に見えていますし、かといって「いやー、昔の方が楽しかったですよ」なんて口走ろうモノなら、次の日にツープラトン・アタックを見舞われることは胎児でも分かることです。
 私は極めて慎重に言葉を選び、誤解を招いたり、変に一人歩きしたりしないモノを並べていきました。
 そのまま十分ほど膠着状態が続き、そろそろ会話も終わりそうな雰囲気になってきた時。

「まー、飛乃君も色々大変だねー。けど頑張ってんじゃん」

「いやー、そんなそんな。まだまだですよ。しっかりあのお二人に付いていかないと」

「でも結構厳しいでしょー、あの二人ー」

「まぁ……。でも、しょうがないですよ。僕なんかとはキャリアが全然違いますから」

「じゃあ割と上手く回ってるんだ」

「いや、ホント。こういうのは女性の言うこと聞いておいた方が上手く行くんですよ。男は我慢ですよ」

「ふーん……」
 
 と、『お局様』はソコで言葉を切り、





我慢、してるんだ」







 な……。












070719nandato.jpg









 今までの苦労が全て血の泡に……。
 何が来る! 次は何が来るんだ!?
 恐い! いつか来る逆襲が恐いいいぃぃぃ!

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>あおいさん
 『ファントム・クライム side B』へのご感想どうも有り難うございました! レスはまたメールにてさせていただきます!

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