過去の人になる瞬間

 私の会社は五階建ての建物なのですが、ちゃんとした部屋があるのは四階まででして。
 で、五階に何があるかといいますと、『将来スペース』です。
 今後会社が大きくなって人や機材が増えた時、即対応できるように何もないコンクリ打ちっぱなしのフロアをあらかじめ最上階に用意しております。



 別名、倉庫ともいいます。



 ま、何もないスペースが何十年間もそのままで放置されているわけがありませんな。
 そんなわけで五階には私が生まれる前からあるボロい機械やら、今買ったら何百万とする超レアアイテムまで雑多に置かれております。

 で、今日。そこに台を探しにいきまして。
 以前の記事でも書いた二十万円の機械を乗せる台ですね。
 結局、買わずに会社にあるもので済ませようという話になりまして。まぁ、五階になら何かしら転がっているだろうという期待を抱いて、『飛躍魔人』、『死語使い』と一緒に探しに行ったわけですが……




「うわー、コレなつかしー。アタシが入社した時のワープロじゃん」

「えーっ、慰安旅行の時の写真とかあるー」

「あっ、フィルムカメラってこんな大きかったけった」








 昔話に花咲きまくり。
 






 まぁ、そりゃ十年以上も前の物見りゃそっちに行くのは分かるんですが、










 作業全く進みません。









 そんな感じで無駄な時間が十五分ほど過ぎた頃、

「あー、コレ。平野さんの作品じゃん」

 茶碗の焼き物を持ちながら『飛躍魔人』が懐かしそうに声を上げました。

 平野さんとは私の同期でして、入社して最初の一年目は同じ職場にいたのですが、今では工場に異動になってしまった人です。
 彼は会社の陶芸部に所属していたのですが、その時に焼いた物がダンボールに沢山詰められていたのを発見したようです。

「こんなところにあったんだー。すごーい。うまーい」

 『飛躍魔人』は新聞紙に包まれているのを一つ一つ取り出しては感想を述べていき、

「でももったいないねー。普通に使えそうじゃん」

 大絶賛しながら、








「彼の遺品」








 死んでねーよ。









 さすがは『飛躍魔人』と言ったところでしょうか。
 自分の前からいなくなった人は全員死人扱いです。

 私もいつか「良い人だったのにねー」とか遠い目をしながら言われる日が来るのでしょうか……。orz

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『人形は啼く、主のそばでいつまでも』Level.10を読んでくださった二人の方々! どうも有り難うございました!
 
>幻想魔術師さん
 戦闘シーン、楽しんで頂けたようで何よりです。けどまだまだ不完全燃焼気味なので、ラストはもっと熱くなるバトルを繰り広げたいと思います。

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 web拍手コメントへのレス
>爆笑。確かにあれは痛いですね。
 えと、どれに対してのコメントか分からなかったのですが、とにかく爆笑までしていただけて光栄です!

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