初胃カメラ体験談

 やりました。
 ついにやってきましたよ。






 胃カメラ。








 まー何つの?









 
 ありゃ拷問だ。











 うん。あんなモンで責め立てられた日には、二重の意味で吐きます。
 ……我ながら良く一歩手前で踏ん張ったモンだ。(つд`)

 そんなわけで最初からおさらいしていきましょー(ぇ)。 

 えー、まず。胃カメラの前にお腹にエコーを当てられました。
 まぁ超音波で内臓の様子を調べて、異常がないかを調べる検査ですな。私はベッドに横になり、体を楽にして処置を待ちます。
 で、まず下準備として医療用のゼリーを塗られるのでが、その範囲が結構広くてですな。やってくれたのはまだ若そうな看護婦さん。


「はい。それじゃちょっとシャツ捲りますねー」


 と、胸元辺りまで捲り上げられ、


「じゃあおズボンの方、腰の骨の辺りまで下ろしますねー」


 と、ベルトを緩めて下げていってくれたのですが――












 見られるかと思いました。














 いやだって。
 お前オーバーランしすぎだろオイって感じでグングン下げるんですもの。
 あと五センチで貞操の危機を感じるところまで行ってくれました。
 そしてその後にゼリーを塗ってくれたのですが、どうしてもソレが、














 ローション














 にしか感じられなかったのは、もはや絶対神が決めた天地創造以前からの定めだと思います。ええー、誰が何と言おうとね。

 で、結局。このエコー検査では異常は見られず、いよいよ胃カメラへ。
 まず喉の簡易麻酔ということで、やたら苦い薬でうがいをさせられます。
 上を向いてガラガラガラガラと約二十秒。コレを三セット。







 この時点ですでに吐きそうです。








 そして口の中が痺れてきたところで本番。
 左腕を下にし、体を傾けた状態で寝かされてマウスピースをカポン。
 もう口は閉じられません。

「はい、それじゃ喉の力抜いてくださいねー」

 マウスピースには穴が空いており、先生はソコに胃カメラを通していきます。カメラの直径は約一センチ。まぁちょっと太めのボールペンと同じくらいです。

 えー、実はですな。私はこの日まで『予行演習』なるものを重ねておりまして。
 やはり初胃カメラなので、ソレなりに心の準備は必要です。そして胃カメラ先輩の『死語使い』から、その苦しさを聞いていればなおのこと。
 なので私は、自分の中指を胃カメラに見立てて喉の奥に突っ込んだりしておったわけですな(アホ)。
 心の中で、「これは異物じゃない。食べていいものだ、美味しい物なんだ」と言い聞かせ続け、少しずつではありますが奥の方に入れられるようになっていったのです。
 なのでそれなりに自信はありました。
 多分、コレをもう少しキツクした物なんだろうくらいの心づもりでいました。
 が、











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 レベルが違いました。














 何て言うんですか?
 例えるなら、猫と一緒にたわむれている時、肉球の気持ちのいい感触をほっぺたで味わっていたら突然、凶爪を立てられた、みたいな……。











 とにかくですな……。















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 とまぁ……ストレートに表現するとこんな感じなんですわ。



「あ、力抜いて。力抜いてくださいねー」

「喉のところが少し苦しいだけですから、ココ過ぎたら楽になりますよー」

「じゃココでごっくんしてくださいー」



 もぅ口の端からよだれダーラダラ垂れ流し、何度も何度もえづきながら、私は必死になって胃カメラを呑み込みました。
 コレであとは楽に……
















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 ぎぼぢわ゛る゛い゛ー!














 まぁ確かに。少しは楽になりましたよ。
 でもソレは刃物でスパッと切られたような鋭痛が、花瓶で殴られたような鈍痛に変わったようなもので、生死の境を行き来しているということに関しては同じです。

 二日酔いを経験されたことがある方。
 想像してみてください。
 もう何も食べたくない、今はとにかくそっとして置いて欲しいという状況の中で、












 無理矢理ブタの餌を詰め込まれたとしたら。 













 まだ未成年の諸君。
 想像力してみてください。
 ボロい木船で日本海の荒波に丸一日もまれた後、












 ジャイアントフルスイングをかまされたとしたら。













 まさに生き地獄











 冗談抜きで、いっそ楽にしてくれと思いました。
 が、先生は相変わらず淡々と、


「あー、ココちょっと赤くなってますねー」

「まだ泡が残ってるんで水入れますねー」

「はーい、十二指腸入りマース」

「ちょっとだけ空気入れますねー」


 胃カメラをグリグリと動かしながら説明を続けてくれます。
 私の頭にはもう、一秒でも早く終わってくれることしかありません。
 そんな悲壮感にまみれた患者の心中を察してくれたのでしょうか。先生はにこやかな声で、








「はい、もう半分は終わりましたからねー」








 まだ半分かよ! 









 一瞬、気が遠くなるかと思いました。

 私は陸に打ち上げられたウーパールーパーのようピクピクとしながら、ただひたすら耐え続け、そして胃カメラが徐々に引き抜かれていって、


「じゃあコレからまた喉の辺り通りますんでねー」


 最初に感じた鋭利な吐き気が蘇り、


「ちょっとだけ気持ち悪いかも知れませんが我慢してくださいねー」


 耳の奥でキーンと甲高い音が鳴り響き、


「はい、最後抜きますよー」







 早くしろよ!









 ドSですか!? アンタひょっとしてドSなんですか!?
 えーえー気が合うじゃないですか! 私もどちらかというとSですよ! 小中高とイジメっ子でしたよ! いまだにちょっと気になる女性とかにはイジワルしたりしてますよ!













 ……とまぁ、なんつーんですか?
 







 全てを終えて思ったのが、














 口から出産ってこーゆーこと?














 みたいな。 

 残念ながら達成感などはなく、ただひたすら虚脱感だけでしたが。

 ピッコロ大魔王凄いよなぁ。尊敬しますよ。

 で、診断結果。










 急性胃腸炎。










 胃潰瘍じゃなかっただけよかったかもしれませんが、薬は当分飲み続けなければならなそうです。
 ガスター20貰いましたよ。
 市販品の倍ってヤツですね。

 でも、一応ちゃんとモニター見て、リアルタイムで自分の胃とは向かい合えてましたね。
 あと、看護婦さんが背中ずっとさすってくれてたのが嬉しかったです。一見地味なようで、効果は絶大です。
 もうすこしで看護婦さんにズキューンってなっちゃうトコでした(ぇ)。
 あれも立派なスキンシップだよなぁ……。

 そんなわけで、結論としては薬で散らせる程度の軽い症状でした。
 どーも、色々とご心配をお掛けしました。

 え? お酒? そんなのまだ飲めませんよ?
 だってあなた、いつも使ってる枕の中のダニを見せられた後、今までと同じように安眠できますか?

 ……まぁ、そう言うことです。

 なにげに赤いトコ多かったよなぁ……。

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『死神 三部』弐話を読んで下さった方! そして壱話を読んで下さった方! どうもありがとうございました!

>威村さん
 昨日はアドバイスメール、どうも有り難うございました!
 ちょっと、力を抜くとかどーとかという次元ではなかったので、実行できたかは分かりませんが検査は無事終了しましたー。

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