最後の洗礼

 ドレッシングを作る時には必ず加熱・冷却工程というものが入ります。
 ラボスケールでは湯煎で加熱し、水に浸して冷却ということになるんですが、温度が下がりきるまでに結構時間が掛かります。
 なのでそのまま実験室にほっぽいて、居室で別の作業をしていることが多いです。
 で、今回も例に漏れずデスクワークをしに戻り、一時間くらいしてから実験室に戻ったのですが、














 土座ってる。










 流しに溜まりきった水の中で泳いでる。









 えー、実験室の流しは排水口を閉じることのできるオプションが付いておりまして。上側面部に穴が開いた筒上の物体で、ソレを排水口に突き刺すことで水が流れてしまうのを止めます。そしてある水位まで来ると水が上側面部の穴から筒の中に入り、下水へゴーという単純なようで優れもののグッズです。
 居室に戻る前、流しに浅く貯めた水の中に放置していたのですが、どうやら蛇口の閉め方が緩かったらしく、ちょろちょろと流れていた水によって浸水してしまったようです。
 まぁ優れもののグッズのおかげで洪水にはなりませんでしたが、当然ドレッシングは台無しです。
 で、私が虚しくソレの後片付けをしていると、後ろで別の作業をしていた『死語使い』が、




「ほら、やっぱりこうなっちゃったでしょ? こーゆーことがあるから今度からは気をつけないとね」









 しつけるような口調で発言。










 ホント、そうですよねー。











 ……って。













 『やっぱり』?










 やっぱりってどういうことですか?











 ……。











 ……ま、まさか……あなた……。












 見てたんですか?











 ドレッシングが土座っていく様をまさかずっと横で













 見ていたんですか?











 なにもせず。









 ただ漫然と手をこまねいて。













「まぁ、こーゆーことは一度痛い目見とかないとねー」


















080225hidee.jpg
…………。
















 なにやら『死語使い』自身も似たような経験があるような口ぶりでしたが、あんまりだ……。
 なにも異動直前にしつけることないのに……。
 日々を生きて行くってのは、ホント奇麗事じゃないんですよ。




 パトラッシュ、僕もう疲れたよ……。















 ……明日は頑張ろう。

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