実家奮闘記2

 えー、ココでは多分言ってないと思うんですが(言ったかな?)、弟だけではなく私もオカンと一悶着ありまして。

 私が月一の定期連絡をした時、オカンが弟の悪口を言いながら「アンタはこんな風になったあかんよ」的なことをずーっと言ってきたのでカチンときて、ちょっと感情的になって言い返したのが始まり。
 そこからは売り言葉に買い言葉というやつで本格的な口げんかに発展し、それ以来すっかり疎遠になっていたのです。

 なのでオカンが私のことをどう思っているかということはさっぱり分からず、今回のオヤジからの連絡でようやく認識したわけなんですが……。

 まぁ、何て言うんですか?

 ソレを聞いた時ぶっちゃけ、「ふぅん……」くらいにしか思いませんでした。はい。

 正直、近頃のオカンは「重いなぁ……」と感じていたので、私も弟同様ここらで一つ距離を取ってみるのもいいんじゃないかと。年単位でね。
 別に家族だからといって相手のことを完全に分かるわけでもありませんし、家族だからこそ分からない、あるいは分かろうとしない部分があるはずなんです。
 そもそも『家族』なんてのは、生まれた時から自動的に付いてくる肩書きに過ぎないわけですし、単に血が繋がっているからそう呼ばれているだけで、じゃあ非常に大きな精神的拠り所となっている他人が『家族』じゃないかと言われればノーですし、血さえ繋がっていれば『家族』なのかと言われるとそちらも勿論ノーです。
 なのに今のオカンはこの『家族』という部分を全面に押し出して、繋がりを主張しようとする。繋がっているからこその『家族』なのに、『家族』だから繋がっているという理論を押しつけてくる。
 そうするとまぁ、コチラとしてはたまらんワケですな。そんなに訳の分からない期待を一方的にされても、と……。

 なので今回の反応はある意味非常に有り難く、お互いに冷静になるチャンスだと思ったワケです。

 ……とまぁ、何やら説教臭い持論を展開してしまいましたが、とにかく私が帰った場合でもオカンはいない、と……。
 
 で、次の日。またオトンから電話が掛かってきたわけです。




『お前、コッチ来て弟と店で飲むんやろ? 別にオカンもおらんのやし二人とも帰ってきて、家で飲んだらええんちゃうん』





 言われてみるとその通り。




 しかし一つ疑問が。













 どうしてオトンは私が弟と飲むということを知っていたのでしょうか。















 あのメールには誰と飲むなどということは一言も書いていないのに。













 考えられる可能性は一つだけ。



















 弟がチクッた。


















 えー、弟がオカンと喧嘩を始めてからというもの、なぜか弟とオトンの仲が非常に良くなりまして。今、二ヶ月に一度くらいは会って飲み交わしているというのですが……かつての弟からは想像も付かない姿です。あんなに嫌っていたのに……。

 ともあれ弟チクリ説が非常に濃厚。

 そちらに納得もできたところで、オトンからの提案にも納得。
 はっきり言って私はオトンが大嫌いなので、間に弟がいてくれると非常に助かるのです。
 家で飲めば当然お金もそんなにかかりませんし、帰りの電車を心配する必要もありません。ダルくなったらそのままゴロンと横になれば良いだけですし、とにかく良いことずくめ。
 なんかオラわくわくしてきたぞ、ってな感じで、実家帰りが楽しみになってきたその数時間後。
 またオトンから連絡が。



















『やっぱりさっきのなし。オカン戻らんって』


















 破綻。





















 完全に破綻。



















 会わなくてすむと思っていたオカンとは顔を合わせなければならないし、弟は家に帰ってこれないし、オトンは当然いるし……。

 な、なぜ……。いったいオカンの心境に何が……。

 ――続く。

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