じゃあ『ザラキ』で

 えー、ついこの間まで、私の部署にマレーシアの方がおりまして。
 まぁ以前にも少し触れたかと思うんですが、四月から異動になった新しい部署というの海外との繋がりがございます。なのでちょくちょく外から人がくるらしく、そのたびに我々が何かしらの相手をしなければならない、と。













 勿論英語でね。
 












 元々いる人達はそれなりに慣れているのか、さほど動じません。あたふたしているのは私と新人さんくらいのもの。
 だって、ねぇ……。そりゃ大学の時は海外の人と交流する機会も多く、なんとかそれなりに話せてはおりましたが、会社に入ってからというものとんと……。
 なのでめちゃめちゃ緊張せざるをえなくてですな。もー、毎日毎日、いつ話し掛けられるのかドキドキしながら日々を過ごしておりました。
 


 で、ある時。
 そんな私の姿を見かねたのか、英語の達者な後輩女性に話し掛けられまして。
 何と言っても彼女は帰国子女。日本語を話すのと同じ感覚で英語ぺらぺーら。








「飛乃さん、飛乃さん。大丈夫ですよ。私がちゃんとしておきましたから









 何やら自信ありげな笑みを浮かべて大きく頷く彼女。

 え? 何? ひょっとして通訳してくれるの?









「ちゃんと言っておきました。『飛乃さん、今すっごくナーバスになってるから』って」












 この場合『ナーバス』とは『緊張』の意味でして。
 まぁ彼女なりに気を利かしてくれて、私の状態を伝えてくれた様子。

















「『だから何言ってるか分からなくても、取り合えず笑ってあげてね』って」
















 いやー、そこまでご丁寧に……。

















 ……。

















 フォローじゃなくね?


















 だって通じてるのか通じてないのか分かんないじゃん。











 相手の反応で様子見できないってことじゃん。
















 つか、笑われた時点で負けじゃん。















 なーんか、ホント。あん時はすっげーナーバスになったわ……。










 『止めの一撃』って、きっとこういうのなんだろーな、って思った。


 
















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